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読みたいから書く!

第10回 彼に速度の愛あらば、我に密度の愛あり

勝手ながら、今回で最終回とさせていただくので、豪華4点盛りで掉尾を飾りたい。取り上げる本は渡辺京二『さらば、政治よ 旅の仲間へ』(2016年、晶文社)、小沢信男『東京骨灰紀行』(2009年、筑摩書房、その後2012年にちくま文庫に収録されたそうだが、以下同書からの引用頁数はハードカバー版)、そしてと[ 続きを読む ]

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カエサルの食卓――古代ローマ料理再現

第5回 卵から林檎まで

 東京の我が家では家庭料理に粉物が使われることは皆無だったので、イタリアに住んでいた頃、ラガッツォのマンマであるアドレアーナと毎週ピッツァを生地から作るのが楽しくて仕方なかった。 最初の頃は細かい会話がほとんど成立していない状態のうえ、見よう見まねで生地をこねこねするのに必死だったのだが、そのうち、[ 続きを読む ]

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カエサルの食卓――古代ローマ料理再現

第4回 我らが海の幸

 古代ローマ人にとって、「我らが海」とは地中海。そんな海に囲まれて、魚介類を楽しまない訳がない。4世紀に入ってキリスト教が国教となったのも大きいだろうが、それ以前から古代ローマ人たちは大いに魚を楽しんでいる。オクタヴィアヌスのように「干した魚」といった質素な食材を殊更に好む皇帝もいたし、アピキウスの[ 続きを読む ]

第12回 『アレンとドラン』 (麻生みこと・講談社)

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マンガこそ読書だ!!

第12回 『アレンとドラン』 (麻生みこと・講談社)

 田舎から東京の大学に進学した林田(リンダ)。単館系の映画を好むサブカル女子の彼女は、思う存分映画を楽しめる環境で趣味に突っ走るあまりか、大学では少し浮きがちな存在だ。ある日、SNSを通じて知り合った趣味の仲間と直接会うことになるが、相手は「教養」をひけらかしてくるおじさんで、あげく襲われそうに。[ 続きを読む ]

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カエサルの食卓――古代ローマ料理再現

第3回 肉料理に世界は宿る

「古代ローマのコロッセオの下の部分は居酒屋になっていて、剣闘士試合で殺された熊やライオンの内臓が煮込まれ、客に供されていた」といったかなりキワモノ的な食習慣を大学の教授に教え込まれた私が、生まれて初めて食べた古代ローマ式の食べ物が「クミンのパン」だった。[ 続きを読む ]

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第9回 エラスムスとモンテーニュに見る寛容性の探究

まだ、20~21歳のころだったと思う。大学闘争は新左翼各派の分派闘争が熾烈になるにつれ、表面的なデモの動員数などより、かかわっていた人たちが精神的に貧しくなるのが分かってしまう情況だった。そのころ、マルクス主義というのは理屈っぽいユダヤ人が書いたキリスト教の新しい経典じゃないのかなどと感じ、根が近け[ 続きを読む ]

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カエサルの食卓――古代ローマ料理再現

第1回 皇帝と粗食

 午後六時の教会の鐘の音に誘われて、我が家のキッチンに立つ。そろそろ自家製のパンチェッタの食べごろだし、ローマの友人ゆずりの「サルサ・ディ・ポモドーロ・フレスコ」の作りおきもあったっけ。2000年代の初頭、歴史研究のためイタリアに渡った私の冷蔵庫にはかの国の食材が多い。イタリア留学中、自由気ままに五[ 続きを読む ]

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第8回 戦争国家アメリカの「不思議」を実感した二冊

ちょうど東芝がほぼ100%近い買収を余儀なくされた原発部門だけに身を縮めたかつてのアメリカ総合電機最大手の一角、ウェスティングハウスがいかに惨憺たる含み損の山かが明らかになったころ、またしても北朝鮮の新たな核実験疑惑が浮上し、明らかに北朝鮮工作員が関与した現キムジョンウン第一書記の長兄、キムジョン[ 続きを読む ]